服部流カスタム術。
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ナップス三鷹東八店のパーツ部門リーダー服部が、今までのカスタム経験を公開します。


今回のお題は
KEIHIN FCR &MIKUNI TMR

インジェクション時代になっても、まだまだ人気の2大キャブレターの違いを解説。

カスタムのヒントになれば幸いです。




インジェクションが主流になりつつありますが、まだまだキャブレター交換は人気の高いカスタム。最新のインジェクション車に負けないようキャブレターの交換を目論んでいらっしゃる方も多いのでは?





レーシングキャブレターの代表的な物として、FCRとTMRが有名です。

当然、両者ともスペシャルキャブレターとして名を馳せているだけあってとても高性能です。

(余談ですが、FCRのメーカー名は、ケイヒンでも京浜でもなく、ケーヒンが正式名称です)


しかし、その性能や性格は全く異なっています。
『性能がいいのは分かるけど、どっちがどういいの!?』という、ご質問をいただくことが多いので、今回はFCRとTMRの違いについて、私の経験に基づいてご紹介します。



大雑把にいうと、キャブレターはより細かいガソリンの霧をエンジンに送ることができれば、良い燃焼を実現しやすくなります。

では、『細かい霧』を作り出すにはどうしたらいいのでしょうか。

ひとつはキャブレターのベンチュリー(中心の筒部分のこと)の中の空気の流れを速くするということです。 ベンチュリー内の空気流速が速くなれば、勢いよくガソリンを吸い出すことができる様になり、結果、霧化特性が良いということになります。


もう一つは、ガソリンを霧化するジェット類の形状を工夫して、より細かい霧を作り出す形状を作ることで、遅い流速でも細かい霧を実現できます。


実はFCRとTMRの特性の違いの秘密はそこにあります。




簡単に言うと、FCRは『より速い流速を求めたキャブレター』であり、TMRは『より細かいガソリンの粒を求めたキャブレター』と言えます。

では、具体的に両者の構造の違いについて説明していきましょう。
FCRの最大の特徴と言える『速い流速』を実現する構造は以下の通りです。

図の赤丸をつけたところにFCRの秘密があるのです。

赤丸のポイントで空気が流れる流速を早めるため、急に狭くなっているのです。

例えると、水の出ているホースの先をつまむと勢いよく水が出るのと同じ原理です。

速い流速は勢い良く燃料を吸い出す為、燃料の霧化効率が良くなります。


TMRキャブレターの構造は右図の通りです。

吐出開孔部に燃料の噴出口を集め、負圧を集中させています。

この構造によって燃料の霧化特性が向上しているのです。
結果、燃焼効率が向上します。


以上を見ていくと、TMR、FCRの両者は目標とするものは同じでも、そのプロセスは全く異なった方法で性能を求めています。


似たようなイメージを持ちがちですが、それは全く違ったものなのです。








ここまではTMR、FCRのメカニズムについての文章でしたが、実際にどちらが優れているのか分からないでしょうから、ここからは私の実体験を元にした両者のフィールをご紹介していきます。




FCRはその構造により、負圧が高く、多少ラフなアクセルワークでも、ちゃんとエンジンが回りますし、少しぐらいのセッティングがズレていても、アクセルの開け方に気をつかえば、スムーズに走ってしまうことが多いのが特徴です。

また、吸入負圧の高さがセッティングの出しやすさも助けてくれるので、セッティングが出しやすいのが特徴です。

キャブの口径は小さい方がセッティングが出しやすく、扱いやすいものなのですが、FCRは他のキャブレターに比べ、大きい口径を装着してもセッティングも出しやすく、扱いづらいことも少ないという特徴があります。


『アクセルを開けた分だけ車速が伸びていく』という感じです。





対して、TMRはFCRに比べて燃料の霧化特性に関して優れた性能を持っているため、エンジンの吹け上がりやレスポンスがとても鋭いのが特徴です。
しかしながら、アクセルの開け方やセッティングについては、FCRよりもシビアな感じがします。


一度セッティングがズレると、途端にエンジンの吹け上がりやレスポンスが悪くなりますので、装着の際は、しっかりとセッティングを突き詰めるつもりでいてください。

TMRのフィールは『アクセルを開けた分、車体が飛び出していく』というイメージです。



結論を言うと、どちらのキャブレターが優れているという訳ではなく、双方のフィールの差があるということです。


ものすごく簡単に一言で言うならば、『伸びのFCR、ダッシュのTMR』と表現すると分かりやすいと思います。


キャブレターの話しを詳しく書いてしまうとそれだけで1冊の専門書が出来てしまいますので、今回は簡単に説明をさせていただきました。

キャブ選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。


もっと突っ込んだお話しが聞きたいというお客様がいましたら、NAP’S三鷹東八店の服部までご相談下さい!










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