服部流カスタム術。
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こんにちは、ナップス三鷹店の服部です。
今回のコラムは「ハSRのパーツに関してよく受ける質問」について指南しようと思います。
この場をお借りし、読者の方々が抱える疑問を解決できましたら幸いでございます。

さて、今回の内容もSRについてです。
発売以来、オシャレなバイクとして根強い人気があるSR。
しかし、SR乗りの方の多くが「自分のSRがもうちょっと速くなればなぁ・・・」
なんて思った事があるのでは?

そんなSRを少しでも速くしたいという方のため、ステップ別にチューニング方法をご説明いたします。のんびり走るバイクとして見られがちなSRですが、実は速くなる要素を持っているんですよ。

早速チューニング!と言いたいところですが、まずSRの年式による違いを説明しておきます。
なぜならSRは年式ごとに造りが様々で、改造する箇所によってはパーツの互換性が全く無い為、改造方法が全く違う場合があるからです。

それではSRの歴史を説明していきます。
(あくまでも大きく構造が変わるところで分類しますので、細かいご指摘はご勘弁下さい。)


・初期型

年式は78年〜87年です。その中でも細かく2つに分かれます。

まず、78年〜84年のSRはフロントブレーキがディスクブレーキでフューエルタンクが細くなっています。(ナロータンクと呼ばれています。)

初期型 SR400

85年〜の車両はフロントブレーキがドラムブレーキに変更されました。
(この年式からブレーキの改造は注意してください。改造申請届けが必要になり、とても大変です。詳しくは後で紹介いたします。)ステップ位置も変更され「純正バックステップ」なんて呼ばれていたりします。

また、一部のバリエーションでキャストホイール(フロント19インチ)仕様の車両もあります。
キャブレターはVMタイプ(強制開閉)で造りがレトロです。


・二型

年式は88年〜00年です。こちらも途中で大きく変更されています。

まず、88年〜93年までの車両はバッテリー形式、充電方式は初期型から変更点はありませんでしたが、94年から一気に変わります。

88〜 SR

94年以降の車両はMF(メンテナンスフリー)バッテリーに変更され、充電方式も以前と全く互換性がありません。また、94年以降はフューエルタンクも変更されました。
98年以降では、ステップ位置が最初期型と同様に前方に置かれるようになりました。


・三型(現行型)

01年〜の現行型です。この形式になりますと現代のSRと同じになり、 従来のSRとは大きく変更がされています。

まず、フロントブレーキがドラムブレーキからディスクブレーキに変更されました。

最初期型のディスクブレーキとは互換性はありませんので流用しようとしている方は注意してください。

また、フロントのホイールハブ、フロントフォークアウターチューブもドラッグスター系を流用しており、従来型とは全く異なります。

2001〜SR

次に、点火方式にも変更がありました。今までのCDI点火から、バッテリー点火方式に変更され、バッテリーレス化が不可能になりました。フューエルタンクの形状も少し変更されています。
この年式になると排ガス規制がかかっているので、2次エア還元装置が付いています。


以上でSRの歴史の簡単な説明を終わります。
上記の年式による仕様の違いを踏まえて、いよいよチューニングについて触れていこうと思います。ここからはステージ別に分けてチュー二ングのメニューを紹介いたします。

ステージ1

SRを速くするための第一歩「ステージ1」ではエンジンには手を入れず、マフラー、キャブレター、車体回りやブレーキに改造を加えてポテンシャルを上げていきます。

1.ブレーキの改造について

SRのブレーキはスポーツ走行を想定していないので少々物足りなさを感じます。
初期型のSRでしたらそのままブレーキキャリパーの交換とディスクローターの大径化を行えますが、純正のフロントブレーキがドラムブレーキの車両の場合、フロントホール交換(ディスクハブ交換)が必要です。

上記内容を簡単に金額にすると純正ディスクブレーキからの改造で¥80,000〜
純正ドラムブレーキ車からの改造・・・¥130,000〜となります。

※01年〜のSRはフロントハブが違うので、〜00年式までのパーツとは互換性がありません。
注)ドラムブレーキを変更する場合は車検に注意!!構造変更申請が必要です。

2.車体回りの改造について

SRはリアショックの交換とフロントフォークのセッティングで結構良く走るようになります。

リアショックは オーリンズ クアンタム などのメーカーが動きも良く、マッチングが良いようです。

クアンタム リアショック

費用は安いもので¥70,000〜、高いものだと¥120,000ほどの高価なものまで様々です。
値段が高いほど調整機構も多くなり、自分好みにセッティングが可能です。

ステージ1はフォークオイルを番手アップしたり(ダンパーが硬くなる)油面のアップ、フォークスプリングの交換を行なうだけで十分だと思います。

ここで注意したいのは初期型のSRの場合、フォークの内部構造が違う為、一部フォークスプリングが使えない物がありますのでご注意ください。(詳しくはお問い合わせ下さい。)
費用はフォークスプリングが¥18,000〜25,000、 フォークオイルが\1,000〜¥4,000位です。

3.エンジン関連の改造について

ステージ1では基本的にはノーマルエンジンでどれだけパワーが稼げるか?というところでチューニングを進めていきます。

まずは吸排気のカスタムでは初歩でもあるマフラーからスタートです。

パワーアップを目的にしていくのであればマフラーは出来るだけパイプ管長が長いものを選びましょう。
なぜならトルク特性に違いが出てくるからです。

SR サイクロン

マフラーが決まれば次はキャブレターです。
SRには FCRキャブレターTMRキャブレター CRキャブレターを選ぶ場合が多いです。
セッティングをしっかり出したら、次は点火系です。

私はASウオタニ製の SP-2キット をオススメします。
SP-2はSRノーマルとは比較にならないくらいの精密な点火プログラムを持っており、トルクアップなどが期待できます。

この位のチューニングでパワー的には後輪出力で27〜30psほどになります。
(SRノーマルですと、22psほどです。)

費用はキャブレターが約¥60000〜(CRキャブは¥33000〜)、マフラーは¥30000〜\100000以上と様々です。ASウオタニKITは¥45000〜位です。

以上のメニューがステージ1の仕様となるわけですが、ここまでで400ccスポーツモデルと峠では互角に渡り合えるでしょう。

ステージ2

このステージではステージ1の内容に加え、エンジンチューンも視野に入れて考えて行きます。

1.車体周りについて

ステージ1で触れなかった部分に手を加えます。例えばステップやスイングアームの変更です。

現在ではボルトオンのスイングアームが多数リリースされていますので、色々選べます。
スイングアームを変更する利点と言えば、剛性がアップするだけでなく、実はスイングアームピボット回り(スイングアームの付け根)の構造を見直せる事も大きなメリットになります。

SRのノーマルはスイングアームピボットの造りが甘く、定期的にグリスアップしなくてはなりません。ノーマルのスイングアームのスムーズな動き自体は悪く無いのですが、耐久性で言えばノーマルとレーシングスイングアームは比較になりません。次にステップです。

バックステップ

走りの性能を上げていくとどうしてもステップを擦ってしまい、思ったようにコーナーリングが出来ないことがあります。

そんな時は バックステップ をオススメします。
コーナーリングでステップを擦らないだけでなくポジションも激変します。

※バックステップは年式により(初期型と98年式以降)一部純正部品が必要になります。 詳しくはお問い合わせ下さい。

2.エンジン関連パーツについて

ステージ2では純正部品を加工して使用できる内容でご案内します。
ステージ1の内容に加えて、ステージ2ではクランクの交換、ボアアップ、ハイカム装着などで相当なパワーアップが可能です。ここでオススメする内容は、2パターンあります。

■パターン1

一つ目の方法としては多くのSR乗りの方が実践している「純正部品を組み合わせてチューニング」を行なって行きます。

SR400には上位機種にSR500があります。SR400とSR500のエンジンパーツの違いはクランクシャフトとピストンの高さだけです。(ピストン径は同じ。)SR400に500のクランクを組み合わせる事で500ccに排気量を拡大できます。

また、SR500クランクにSR400用のピストンを組み合わせる事で高圧縮のエンジンにできます。
圧縮が上がったところにハイカムを組み込む事で、より効果的に排気量拡大を生かす事が出来るようになります。この場合、カムシャフトはヨシムラ製のST-1がオススメです。

このパターンの特徴は組み込むパーツ代が純正ベースのため比較的安価で入手できることです。とてつもないハイパワーは望めませんが、400cc4気筒ネイキッドとストレートで張り合える位のスペックは実現できます。

費用はSR500クランクシャフト¥70000〜、純正ピストン/ガスケット類¥8000〜
ヨシムラST-1カムシャフト¥31500、合計額で¥110000〜となります。

■パターン2

上で紹介したパターン1をさらに発展させ、レーシングパーツ主体でエンジンチューニングを進めていきます。

パターン1ではピストンに純正品を使用しましたが、こちらではピストン径(ボア)を大きくしてチューニングします。ピストンメーカーではワイセコ、ヨシムラ、コスワースなどが有名です。

しかしながら、SRのシリンダーには「スリーブ」という筒状のパーツが打ち込まれており、その中にピストンが入ります。
当然、純正よりサイズの大きいピストンを入れるので、内径を加工して大きくしなくてはなりません。また、内部を削るので削れば削るほどスリーブの強度は落ちていきます。

純正パーツをベースにした時はφ90mmのピストンが限界と言われています。
φ90mm以上の大きさのピストンではスリーブ自体を大きいサイズのものに打ちかえる必要がある為、純正パーツの限度内ではφ90mmのピストンを上限とします。

次にカムシャフトです。
ステージ2では更なるパワーアップが目標なので、ヨシムラ ST-2 をチョイスします。

理由としては、国産メーカーなのでデータも豊富にあり、信頼がとても高いからです。
カムシャフト

しかしながら、ヨシムラのST-2を単体では使用することは出来ません。
バルブスプリング(各バルブを閉じる仕事をしています。)を専用の物に交換し、カムチェーンも強化タイプに交換しなくてはなりません。

上記を全て装着すると、約40ps(リアタイヤ軸パワーで)発揮します。
費用はSR500クランク¥70000〜、ピストンKIT¥30000〜60000、カムシャフト¥33600
バルブスプリング¥12600、強化カムチェーン¥11130、総合計で¥160000〜です。

ここまでの仕様ですと、ノーマルの足回りに物足りなさを感じる方が多いかもしれません。

ステージ3

このステージでは純正部品が持つ能力の限界を更に超えてパワーアップするチューニングを施します。

1.車体周りについて

このステージでは純正パーツが持っているポテンシャル、強度を超えた走りを要求されます。
そういった場合によく用いられる方法が「純正流用」です。

ヤマハ車は同ランクのクラスでの部品互換性が非常に高く、ボルトオン無加工(多少条件有り)で取り付けが出来る足回りパーツもあります。

・フロントの足回りについて

よく使用されるケースがTZR250等のフロント足回りパーツです。
(一部の年式に限られます。)ステムベアリングが共通な物があるので、少し加工すればハンドルロックさえ使えることもあります。

SRに比較的簡単に装着できるフロント回りは、TZR250(88〜94)、TZR250(79〜82)、XJR400(93〜96)、R1-Z、SRX400/600、FZR400R(88〜90)等があります。

※これらの車種はステムベアリングの変更で取付けがしやすいものですがボルトオンというわけではありません。あくまで加工ベースですのでご注意下さい。

・リアの足回りについて

SRのリア周りを他社種から流用する場合、よく使われる車種は、TZR250(88〜90)、XJR400、SRX400(初期)、FZR400/250等です。

ただしスイングアームピボット部の幅詰め加工をしないと取付けができません。
どれだけの幅を詰めれば良いか、データを持っているショップに依頼する必要があります。
フロントの足回り同様、こちらもあくまで加工ベースですので、取付けにはパーツ加工を行なう必要があります。

※ステージ3での足回りチューニング内容は車検に通す事は全く考えていません。
全てレースなどを前提にしたヘビーチューニングなので、改造を行なう場合は特にご注意を。

SR エンジン

・エンジン関連パーツについて

ステージ2で行なったチューニングに加えて、更なる排気量の拡大や、スペシャルパーツを使ってSRでは想像も出来ないようなパワーを出していくチューニングです。

この段階になると、SRのエンジンが持っている本来の耐久性をかなり犠牲にするので、エンジンとしての寿命はノーマルよりかなり短くなります。

しかし、定期的な各部のメンテナンス次第ではストリートの使用でも耐えられる場合もあります。


まずピストンですが、φ90mmを超える物を使用します。最近ではφ95mm(SR500のクランクと合わせると595ccまで上がります。)を使ったレーサーも見かけます。φ90mmを超える大きさのピストンを使用する場合、シリンダースリーブを大きなものに打ち変えなくてはなりません。

しかし、ここで問題が発生します。
SRでシリンダースリーブを打ちかえるとシリンダー強度が低下してしまうので、最悪の場合シリンダーが割れてしまいます。こういったデメリットを気にしないのであれば、後輪出力50ps以上、最高速度200Km/hなどというとんでもないSRが出来上がります。

コストを気にしないのであれば、ロングストローククランクを使用して600cc以上に排気量を拡大する事も出来ますが、あまり現実的とは言えません。(もし行なえば、SRとしてはある意味究極と言えるかもしれません。)

このエンジンチューンを施す場合、価格はショップによって違うのですが、40万円以上は必要になると思います。

以上でSRを速くするための説明を終わります。

最後に、こちらで紹介した改造方法はそのまま公道で走行可能なものもありますが、内容によっては改造申請が必要な場合、公道では走行出来ないものもあります。
カスタムする際は十分に調べてから行って下さい。

ご不明な点がありましたらNAP’S三鷹東八店の服部まで気軽にご質問ください!


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