Moto GPをはじめ、世界各国でサーキットを席捲しているスウェーデンの逸品「オーリンズ」。
近年ではV・ロッシ選手が駆ったチャンピオン・マシンにオーリンズ【フロントフォーク・ステアリングダンパー・リアショックアブソーバー】が装着。
レース界では二輪・四輪共輝かしい功績を残しています。
一般公道でもワインディングからツーリングユースの方までオーリンズを選ばれる方が多いようです。「でもなぜオーリンズを選ぶのか・・・」と疑問に思った事ありませんか?
今回は選ばれる理由の一つ「材質」についてのお話です。
オーリンズに限らず多くのスプリングには「鉄」が使用されています。
しかし一言で鉄といってもその種類は色々あり、用途も様々ですね。
オーリンズのスプリングはその「鉄」の中でもスウェーデン鋼という金属を使用しており、純度・強度ともスプリングに最適な「鉄」なのです。
さて、ここからはバイクとは関係の無いお話ですが、世界に無数に存在しその用途も多種多様な「金属」の選定の仕方についてお話ししたいと思います。
昔、国内のとある刃物メーカー(確かカイ○ルシ・・・)が理髪店で使われている「カミソリ」を、一般の人達が気軽に使える様にできないかと考え試行錯誤の最中・・・
薄い刃を造らなければならないカミソリは一般ユーザーには「刃を研ぐ」ことは不可能に近く、必然的に「替え刃」になるのですが、国内の鉄鉱石は純度が低く「刃こぼれ」や「刃が割れる」事故が相次いだそうです。
当時、世界で高い純度を誇っていたのは「スウェーデン鋼」、強度が高く粘りがあり高い水準を持っていましたが高価な為、大量生産の消耗品には使えなかったそうです。
そこで!日本国内でスウェーデン鋼に並ぶ「ハガネ」というと・・・・
「踏鞴鉄」(タタラテツ)という古来の鉄の中に三日三晩休む事無く火を入れて抽出される「玉鋼」(タマハガネ)という物があるそうです。
玉鋼は高純度で強度と粘りがあり、あの「日本刀」の材質でもあります。(ある有名なアニメ映画「も○の○姫」にも出ています。銃身でしたが・・・)
刃物メーカーは「踏鞴鉄」の技術を応用し、切れ味がよく刃こぼれのしない「替え刃」の開発に成功したそうです。
オーリンズのスプリングにも使われている「スウェーデン鋼」現在では世界中の刃物メーカーで使われています。
その純度と強度の素晴らしさから一部の日本刀にも使われているそうです。
世界中から日用品として愛され、武士の魂でもある日本刀にも使用されるスウェーデン鋼は本当に素晴らしい「鉄」と言えるでしょう。
剣の達人がこよなく愛したタタラ鉄から鍛えられた日本刀。
形は違えどライディングの達人として愛されるオーリンズ。
どちらもその性能・品質を支えているのはその「金属」と言っても過言ではないでしょう。
※一方たたら鉄は、技術を継承する人がもういないそうです。
永い時間火を見続ける為、視力が低下し、ほとんど見えなくなってしまう人もいるそうです。
余談ですが、人がよろける姿を「たたらを踏む」と言いますね、火の調節をするのにフイゴ(空気を送るポンプ)を足で踏む仕草から来ているそうです。