2025年5月24日、ナップス横浜店で開催された「30周年祭」。イベント会場は朝から多くのバイク乗りで賑わい、各メーカーの展示ブースも多くの人で賑わっていました。
中でも注目を集めていたのが、DAYTONA(デイトナ)の最新インカム『DT-02』。今回の記事では、デイトナの担当者からお聞きしたDT-02の進化点などについてご紹介します!
デイトナの最新インカムDT-02とは?

このDT-02について、会場でお話を伺ったのはデイトナの営業・藤田さん。
藤田さん「今回は10年以上のインカム開発経験を活かして、本気で作り込んだモデルなんです。見た目はシンプルですが、中身はかなり進化していますよ」
そう語る自信の通り、DT-02には前作「DT-01/DT-01+」からの着実な進化が詰め込まれています。
中でも大きなポイントは、最大8人での同時通話が可能になったこと。従来モデルは6人まででしたが、DT-02同士であればより多人数のグループでも会話ができるように。しかもペアリングがスピーディーで、出発前のストレスも軽減されているとのこと。
さらに、通信距離は従来の1000mから1500mへと大幅アップ。マスツーリングで隊列が長くなっても、通話が途切れにくく、はぐれる心配も減ったのは嬉しいポイントです。
藤田さん「技術面では、通信機器の大手・クアルコム社のチップ(QCC5181)を2枚搭載。これにより、複数人で通話しながら音楽を楽しむこともできます。」
また、認識精度の高いMEMSマイクは人間の声を忠実に収録し、MSBCコーデックは音質そのものを向上させ、会話性能を向上しています。
驚くべきは、ここまで機能が強化されていながら、価格は前モデルと据え置きだということ。
藤田さん「ライダーにとって“続けて使える安心感”って大事ですから」バイク用品の値上がりが進むなか、価格を抑えることも開発時のミッションだったそうです。
音楽やナビ音声を聴きながらのソロツーリングでも活躍し、仲間と走るマスツーリングでは会話の楽しさを広げてくれるDT-02。
その進化は、まさに“ライダーの声に応えた一台”という印象です。

ヘッドホンに装着されたDT-02のデモ機。マイクはブームタイプとワイヤータイプから選択可能です。
前モデル『DT01/DT-01+』との機能比較
「結局どこがどう変わったの?」という疑問にお応えすべく、前モデルであるDT-01/DT-01+と最新DT-02の違いを比較表でまとめてみました。
スペック面の進化や注目ポイントを、ひと目でチェックできます!

※DT-02のより詳細なスペックは記事の最下部に掲載しているので、そちらもご確認ください。
実際にDT-02で通話してみた感想
せっかくの機会なので、筆者も会場で実際にDT-02を装着して試聴してみました。試したのはナップス横浜店の店内──それほど広いわけではありませんが、展示会特有のざわつきの中でも驚くほど音声がクリアに聞こえました。
藤田さん「周囲の騒音が多くても、マイクとノイズ処理がうまく働いてるんですよ。だから相手の声がしっかり聞き取れるんです」
通話相手とのやりとりはごく自然でラグも感じにくく、Bluetooth通信の安定性もしっかりしている印象でした。会話中に接続が不安定になるような場面もなく、ストレスなく通話を続けられたのが印象的です。
また、スピーカーから自分の声が軽く返ってくることで、自分の話し方のボリュームや抑揚もコントロールしやすく、長時間の通話でも疲れにくそうだと感じました。
藤田さん「ツーリング中の“何気ない会話”を、より快適に楽しんでほしいという思いでこのモデルを作ったんです」
プラスして本体形状やサイズがより使いやすくブラシュアップされている点も見逃せません。
藤田さん「見た目には大きく変わって見えませんが、ボタン類の配置も含めグローブをした状態でも操作しやすく進化しています。」
こうした体験からも、DT-02が“スペック表だけでは伝わらない快適さ”をしっかり備えていることが実感できました。

左:旧モデルDT-01+ 右:DT-02
デザイン面での変化は大きくないが、ライダーがより直感的に操作できるよう、操作ボタンの配置や本体のサイズ感が見直されているとのこと。

各種操作は、本体側面のパネルボタンの他、本体後部のレバーとボタンで直感的な操作が可能。
DT-01/DT-01+では上側に付いていたボタンも、下側に移動してより使いやすくなっています。
ヘルメットに装着し手でDT-02本体をグリップすると、自然に親指が操作ボタンの位置にくるよう考えられた設計になっています。

ボタンも改良されており、AボタンとMボタンには節度感を出すためにスプリングを採用しています。
従来の樹脂反発とは異なり、外気温度での樹脂の硬度変化が無い為、節度感の変化が無く、常に一定の節度感で操作を行うことが出来ます。

専用アプリも開発
DT-02のハードウエアの進化もさることながら、専用のアプリも開発しているそうです。
藤田さん「専用アプリでは各種設定の変更(スピードダイヤルや、各種音量変更)や本体のアップデート、更に説明書やクイックマニュアルの表示を行う事が可能で、ツーリング先でも便利です。ハードとソフト両面でより使いやすくなっているのでご期待ください」
デイトナ DT-02の気になる発売日や価格は?

気になる発売日と価格についても、藤田さんに伺ってみました。
藤田さん「発売日は2025年夏前頃を予定しています。価格は、前モデル“DT-01+”と同じ税込3万7,400円で据え置きの予定です。」
これだけ機能が強化されていながら、価格はそのままというのは驚きです。
クアルコム製チップの搭載や最大8人通話、通信距離の拡大など、スペックアップの内容を聞いた後だと、むしろ割安にすら感じられますね。
藤田さん「“手が届く価格で、ちゃんと使えるインカム”を届けたい。性能を追求しつつも価格を抑えることには、かなりこだわりました」
新モデルになって性能と共に価格もアップすると手を出しにくいですから、価格据え置きは嬉しいですね。
藤田さん「注意点として、DT-02より『本体+ワイヤーマイクユニット(品番:25031)』と『本体+ブームマイクユニット(品番:25032)』が別品番になっています。ご注文時は、ヘルメットに合わせてお選びください」
なお、発売後は全国のナップスやオンラインショップなどでも販売予定とのこと。
すでに予約を受け付けている店舗もあるそうなので、気になる方は早めにチェックしておくとよさそうです。
デイトナ DT-02の詳細・仕様
DAYTONA(デイトナ)/DT-02
本体+ワイヤーマイクユニット(品番:25031)
本体+ブームマイクユニット(品番:25032)
電源:充電式リチウムイオンバッテリー
充電端子:USB Type-C
寸法:L115×W50×H37mm
重量:58g
作動温度:-10℃~50℃
最大通話人数:8人(DT-02同士)
最大連続使用時間:12時間以上
最大通信距離:1500m(DT-02 1対1の場合)
Bluetooth
バージョン:5.4
送信出力:Class1×Class2×1
対応プロファイル:HSP、HFP、A2DP、AVRCP
対応コーデック:SBC、AAC
認証:TELEC
発売日:2025年夏前(予定)
販売価格(税込):3万7,400円(予定)
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